貴女はそんなに安くない

貴女はそんなに安くない

2020年7月5日 0 投稿者: inukairyou

SM界隈のSNSを見ていると、よくこんな募集を見かけます。

「緊縛講習会 M女性は無料」
「縄会の受け手募集 ドリンク・軽食付き 女性無料」

一見、とても女性に優しい募集案内のように見えます。
経験の少ない女性だと「女性に優しい会なら行ってみようかな」なんて思ってしまうかもしれません。

ですが、こうした募集は要注意です。
よく考えてから参加することをお勧めします。

募集をするとはどういうことか

こうした講習会や縄会で素人M女性を募集するのはどういうことか。

それは即ち「タダで練習台になってくれるM女を集めて、参加男性から集めた会費を主催者がより多く懐に入れる」ということです。

本来であれば、こうした講習会や縄会では、主催者が緊縛に慣れた女性を有償で雇うべきなのです。
そうしなければ、怪我や事故が起きた時の補償に問題が生じるからです。
緊縛に慣れた安全知識のある女性と契約して、怪我や事故に対しても保険などに入る主催者であれば安心することができます。
ですが、そうするためには女性へのギャラや保険料など、より多くの出費を必要とします。

その費用を削減するために「知識も少ない」「慣れていない」という素人女性を募集するのです。
プロ女性へのギャラや保険料などに比べたら、その場に用意するドリンクや軽食などは安いものなのです。
それだけ主催者は「素人女性を安物の練習台」として扱っていると認識するべきだと考えます。

講習会に参加する男性

講習会に参加する男性についても一考してみて下さい。
「講習を受ける男性」とはどんな男性でしょうか。

それは「講習を受けなければならないほど知識と技術が未熟な男性」がほとんどです。
未熟な男性だからこそ「講習を受ける」のです。
技術も力量も抜群な男性が講習を受ける必要はありませんよね。

こうした会の受け手となる女性は「素人緊縛師モドキ」の男性の緊縛を受けることになります。
安全面で大変疑問に感じてしまいます。

更に悪質な業者も

更に悪質とも言えるような業者もいます。

こうした講習会や縄会を行うためにSMバーなどを貸し切る主催者もいます。
その場合、貸し切ったお店の売上に貢献するため、店側からアルコールなどのドリンクを勧められます。
場合によっては、ウェルカムドリンクと称して入店時に必ずドリンクを注文するよう義務付けているケースもあります。

酔っ払って緊縛をするなど「緊縛事故を起こして下さい」と言っているようなものです。
そこには安全配慮などという考えは微塵も感じられません。

他にも、参加者同士のトラブルを防ぐために書類にサインをさせられるケースもあります。

・怪我や事故があっても自己責任で主催者やお店は関知しない。
・怪我や事故を起こした男性の連絡先を教えない。
・怪我や事故があっても治療費など補償は求めない。

参加者にそんなことが書かれた書類にサインをするよう強要されるケースもあります。

もし、こうした会に参加した素人女性が講習参加男性の緊縛で怪我をしたとしましょう。
それを主催者に伝えても誠意ある対応があるとは思えません。
「怪我も事故も自己責任」と言われて一蹴されてしまいます。
なぜなら、少しでも多くの会費を懐に入れるために素人女性を募るような業者だからです。

実際にあったお話ですが、ある女性が緊縛講習会で怪我をさせられたので主催者に報告したところ、その主催者から…
「M女は一度や二度の緊縛事故は当たり前。それを乗り越えて一人前のM女になる」
と平然と言われて唖然としてしまったそうです。
彼女は泣き寝入りをするしかありませんでした。

対策

では、こういう場合の対策はどうすればいいか。

残念ながら「こうした緊縛講習会や縄会に参加しない」という方法しか対策はありません。
こうした悪質な業者は一部なのかもしれませんが、その業者が優良か悪質かは「事故が起こってみないとわからない」というのが実情なのです。

私も自分のパートナーの女性が「緊縛講習会や縄会に参加してみたい」といった時点でパートナー関係を解消することにしています。
実際に、私のパートナーの女性がある縄会に参加して、そこの主催者からしつこく言い寄られた経験があります。
その時は不快感しか残りませんでしたし、その女性のケアをするだけで大変な思いをさせられた記憶があります。
そういう不愉快な思いは二度としたくないので、私は自分のパートナーには安全面も考慮した上で、そういった会に参加することを禁じています。

それでも「どうしても参加してみたい」という女性には、以下の点を主催者に確認するようお勧めしています。

〇参加する女性の質と数
プロの受け手さんを雇っているか。
受け手女性が多く、自分が多数の男性から緊縛を受けなくてもいいか。

〇女性の安全について
事故や怪我に対する保険には入っているか。
「自己責任」とならないよう、主催者は責任を持ってくれるか。
主催者は身分証明などを提示し、責任の所在を明確にしてくれるか。
プライバシーポリシーはしっかりと定められているか。
アルコール禁止や悪質な参加者の排除など、安全面の配慮はあるか。
縛られたくない下手な男性は断ってもいいか。

こうした点を確認しメールのやりとりなどエビデンスを確保しておきましょう。
その上で、当日この約束を違えるような内容があった場合は毅然として退出しましょう。

まとめ

緊縛講習会や縄会の受け手は、本来なら主催者が有償で雇うべきものです。
それを素人の女性を集めて開催しようとしている主催者は悪質な業者と疑ってみる方が賢明です。
また、講習会に参加している男性も「講習に参加する必要がある」ような未熟な男性が多いと認識しておきましょう。

こうした「安全への配慮もない主催者」が開催する講習会や縄会で、技術的にも未熟な男性の緊縛を受けることは、怪我や事故につながる可能性が大きいと言えます。

貴女の大切な身体を安易に安価で提供することは回避された方がいいでしょう。
貴女の身体は軽食やドリンク程度を対価にできるような安物ではありません。

それでも、どうしても参加したいという女性を否定するつもりはありません。
中には安全に配慮した優良な主催者もいるからです。

少しでも安全に楽しむためには…

〇参加する女性の質と数を確認する。
〇安全についての考えや配慮を確認する。
〇メールなどでエビデンスを取っておく。
〇約束と違う場合は毅然と退出する。

とすることをお勧めします。

M女性のみなさまが、少しでも安全で安心にSMを楽しめるよう祈念して、結びの言葉にさせていただきます。