ニーズの細分化
昨今のマーケティングでは「消費者ニーズの細分化」が言われています。
例えば、同じお米だとしても、産地にこだわる人もいれば無農薬にこだわる人もいます。
そうした「消費者が何を求めているか」が個人個人で多種多様化し、そのニーズも細分化されています。
同様にSMにおける思考・嗜好・志向も多種多様となり、そのニーズは細分化されつつあると感じています。
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カテゴリーの変化
私がSMの世界に足を踏み入れた30年前は今ほど細分化されておらず、SMと言えば苦痛も羞恥もスカトロもドミナントも、すべてSMにカテゴライズされていました。
そんな中で、私は当時から緊縛や快楽責めなどを好んでプレイしていました。
すると、人体改造や針など危険なハードプレイをする自称S男性から「ヘタレ」「ニセモノ」などという有り難くない呼称を多々いただきました。
時間の経過とともにSMという言葉も認知されて、足を踏み入れる方も増えてくると自然と「ソフトなプレイ」を望む方の人数が増えました。
その影響でSM界隈の中でも「ソフトプレイ」を好む人の発言力が増してきました。
そうして「ハードプレイだけがSMじゃない」「ソフトプレイを望む人がいる」と潮流が変化してきました。
その流れの先に「SMに対する思考・嗜好・志向は人それぞれ」という考え方が定着し、カテゴリーが細分化してきたと感じています。
自分のニーズを知る
上記したように、現在ではSMもカテゴリーが細分化されており、その言葉の定義や受け止め方も人それぞれです。
M女性であっても、その求める思考・嗜好・志向は人それぞれで違います。
女性によっては「自分はマゾヒストである」と考えながらも…
「ペットのように愛玩されたい」と望む女性もいます。
「肉便器として性欲処理だけに使われたい」と望む女性もいます。
「奴隷として尊厳をはく奪されたい」と望む女性もいます。
「サンドバッグのように叩きのめされたい」と望む女性もいます。
「サブミッシブとして命令に従いたい」と望む女性もいます。
「スパンキーとして叱られお尻を叩かれたい」と望む女性もいます。
私が思いつくだけでも、これだけの細かいカテゴリーがあるのです。
ですので、女性も一概に「マゾヒスト」と一括りにするのではなく…
「自分はどのカテゴリーか」
「自分は何をされたくて、どんな願望があるのか」
「自分は何をされると幸せなのか」
「自分は何をされると快楽を得られ、どんなことに興奮するのか」
ということを、ご自身で理解しておくことが必要だと考えています。
関係構築に役立てる
上記した「マゾヒストのカテゴリー」が細分化されているのと同様に、サディストにも人の数だけ思考・嗜好・嗜好があり、カテゴライズされています。
ですので、実際に主従関係を結ぶ前に、ご自身のカテゴリーとお相手のカテゴリーが合致しているかどうかを確認することが望ましいと思います。
私はこちらの記事でも書いている通り、「M女性がS男性を選ぶ」ことが望ましいと考えています。
【M嬢奴隷の作り方】M女性の行動傾向 M女性特有の行動傾向について、動物学的な行動学の見地から書いた記事です。 |
ですので、M女性が出来るだけ具体的に実例を挙げて、S男性の思考・嗜好・嗜好を確認していくことが望ましいと考えています。
お互いに惹かれ合った男女で、女性が「私を奴隷にして欲しい」と望み、男性が「お前を奴隷にしてやる」と受け入れたとします。
その時に、女性の考える「奴隷」の定義が「ペットのように可愛がられたい」で、男性が考える「奴隷」の定義が「何でも言うことを聞く便利な女」と食い違うことも多々あるのです。
そうなると実際に調教を行う際に、同じ「奴隷」という言葉で関係を結びながら、双方とも満たされないという結果になってしまいます。
それでも、お互いに別の人格である限り、お互いのカテゴリーが完全に一致することはありません。
ですので、お相手には「よりベターな相手」を選び、そのお相手とお互いに意思疎通しながら歩み寄ってベストな関係に近づけていくことが望ましいと考えています。
それでも歩み寄れない点や埋められない溝を感じる場合もあると思います。
そんな時に従者側のマゾヒストが我慢を強いられる必要はありません。
こちらの記事にも書いた通り、主と従は「お互いに役割」だと考えて、政権交代させるように契約を打ち切りご主人様を交代させればいいのです。
ご主人様機関説 憲法学の『天皇機関説』になぞらえて『ご主人様機関説』という考え方を記事にしました。 |
まとめ
SMにおける思考・嗜好・志向は人それぞれで異なり、人の数だけ欲求や願望があります。
SMが一般的になり人口も増えてきた結果、現在では「サディスト」「マゾヒスト」の中にもかなり細分化されたカテゴリーが存在します。
この細分化されたカテゴリーの中から「自分の望むカテゴリーは何か」を自分で確認しておくことが大切です。
その確認方法は「出来るだけ具体的にどんなことを望んでいるか」を知っておくことが大切だと考えます。
M女性がパートナーを選ぶ際には、この「自分のカテゴリー」に一番近い相手を「よりベターな相手」として選ぶことがいいと思います。
その上で、お互いに意思疎通しながら「双方のカテゴリー」を満たせるようにすり合わせ歩み寄ることが理想的だと考えています。
それでも歩み寄れなかったり、溝が埋められない場合は、従者が我慢を強いられる必要はなく、遠慮せず関係を解消することがいいでしょう。