
移ろう心
今日の記事は、以前にある女性読者様からいただいたご相談の記事です。

ご主人様のことでご相談があってDMしました。
私のご主人様は多頭飼いのS男性です。
最近、新しい奴隷さんを飼い始め、自分に対する愛情が減り、ご主人様から放置されていて淋しい思いをしています。
嫉妬の感情に耐えながら、ご主人様を待ち続けることに疲れてしまいました。
ご主人様に捨てられないためにはどうすればいいのでしょうか。
多頭飼いのご主人様の場合によくあるご相談ですね。
私も多頭飼いをするときは、女性にこんな風に感じさせてるのかな…と反省もします。
ですので、自省も込めた意味で、彼女に回答を送信させていただきました。
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捨てられないために
この女性がご主人様に捨てられないためにはどうすればいいか。
一番簡単な方法は「この女性が今のご主人様を捨てる」ことです。
そう考えた私は彼女に率直にその考えを伝えてみました。
正直なところ、貴女がそのご主人様を待つことにメリットを感じられません。
「悲しい」「寂しい」という想いをさせられながら放置され続けて、なぜそのご主人様を待ち続ける必要があるのですか?
そんなご主人様は貴女の方から捨ててしまえば少なくとも「捨てられる」という憂き目には遭わずに済むと思いますよ。

すると、彼女からはこんな回答が返ってきました。

本当の私を理解して下さる方ははご主人様しかいないと思っています。
それに、私は奴隷なのでご主人様に逆らうことは許されませんし、ご主人様の仕打ちには耐えなければなりません。
この記事を読んで下さる読者のみなさまは「????」と思うかもしれません。
ですが、洗脳状態に陥っている女性は意外とこういうことを言う方が多数おられるのです。
私は「あぁ…またか…」と思いつつ、彼女に回答を書くことにしました。
理解していません
まず「本当の私を理解してくれる方はご主人様しかいない」という考えは大間違いです。
厳しいことを言うなら「ご主人様が貴女を理解していないから貴女が苦しんでいる」ということを彼女自身が理解すべきなのです。
ご主人様が本当に彼女を理解しているなら…
・多頭飼いは嫌だろうからしない。
・寂しい想いをしているだろうから放置しない。
という行動に出るはずなのです。
そうした行動をしないのであれば、このご主人様は彼女のことをまったく理解できていないのです。
したがって、彼女の言う「本当の私を理解してくれる方はご主人様しかいない」という認識は間違っています。
正しくは、「ご主人様は本当の彼女をまったく理解していない」と言えるでしょう。
この点から、彼女はご主人様に対する認識を改めた方がいいと思います。
女性は男性を選ぶ側
以前、「ご主人様機関説」でも書いた内容です。
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【M女性向けコラム】ご主人様機関説 憲法学の『天皇機関説』になぞらえて『ご主人様機関説』という考え方を記事にしました。 |
「主従」であろうと「上下」であろうと、それはあくまでも関係性の中での役割でしかありません。
基本的には対等な人間同士が、お互いの思考・嗜好・志向に合わせて、それを満たし合うために関係を結んでいるにすぎません。
更に、現代の社会契約論的な考えに基づけば「主権者たる人民が為政者を選ぶ」のと同様に、「従者たるM側が主人であるSを選ぶ」のは当然のことなのです。
また、生物学的なメスの優位性についてはこちらの記事を参照願います。
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【M嬢奴隷の作り方】M女性の行動傾向 M女性特有の行動傾向について、動物学的な行動学の見地から書いた記事です。 |
以上から、「奴隷なのでご主人様に逆らうことは許されない」という考えも間違いです。
社化学的に言っても、為政者が気に入らなければ政権交代させればいいだけのことです。
生物学的に言っても、メスとしてオスが気に入らなければ、別のオスを選べばいいことです。
現在のご主人様
上記の2点を彼女に理解してもらった上で、もう一度ご主人様について考えてもらいました。
客観的に考えて、現在のご主人様は彼女に対して「悲しさ」「寂しさ」という負の感情しか与えてくれません。
以前、「金持ちMさん・貧乏Mさん」で書いた、典型的な『負債』のご主人様になっています。
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【M女性向けコラム】金持ちMさん・貧乏Mさん 「ご主人様は『資産』か『負債』か」という判断基準についての考え方を記事にしてみました。 |
ご主人様が「負債」と判明したなら、とるべき行動は『損切り』の一択です。
一日も早くご主人様を捨ててしまうことが、彼女が「捨てられない」ための最善策です。
移ろう心
主従関係を結んだ頃、ご主人様はたくさんの愛情を注いでくれたそうです。
彼女の中にはそんな愛情と幸福に満ち溢れた思い出がたくさんありました。
それがために、彼女は「あの頃のご主人様をもう一度取り戻したい」と考えたようでした。
ですが、残念ながら、ご主人様の心はもうすでに新しいパートナーに移ってしまいました。
人の心は儚くも移ろいゆくものなのです。
それは仕方のないことなのです。
そこで、私は最後に彼女へ渡辺淳一の『化身』の一説を紹介しました。
「人の心は移ろいやすいものなのです。
男と女の心の移ろいは出逢った順番によるところが大きく、
その人がどんなに魅力的でも移ろっていくのです。
きっと秋庭さんの心はいずれ私から離れていく。
その移ろいやすい心を信じ続けて、捨てられる恐怖から逃れたい。
だから私は自立しますので、一人で歩かせて下さい。」
主人公の秋庭の心が、当時の恋人の史子から新しい恋人の霧子に移ろう様子を見て、霧子は「秋庭の心はいずれ自分からも離れていく」と察して、秋庭に別れを告げる手紙を書きました。
その心の移ろいは必ず「先にいた人から新しく現れた人に移っていく」ものなのです。
彼女のご主人様もご多分に漏れず「先にいた彼女から新しく現れた女性へ」と移ろっていきました。
彼女はそこまで理解して、ご主人様に別れを切り出したようでした。
彼女の前途に幸多からんことを祈念しつつ、これからも応援していきたいと思います。
※渡辺淳一の『化身』にご興味がありましたら、こちらをご参照下さい。


